フェロシルトとは?

フェロシルトとは、石原産業が2001年(平成13年)から生産・販売していた、土壌補強材、土壌埋戻材のことです。フェロシルトは、二酸化チタンの製造工程から排出される副産物である廃硫酸を中和処理して生産されるもので、2003年(平成15年)に三重県のリサイクル製品に認定されました。そして、生産されたフェロシルト70万トン余りが三重県内、愛知県内、岐阜県内、京都府内などで、販売・埋立てなどに使用されました。しかし、フェロシルトの主成分は、酸化鉄と石こうであり、微量の放射性物質が含まれています。フェロシルト野積み廃棄物が放射性廃棄物として捉えられ、その環境影響が問題とされていることから考えて、現在は製造・販売ともに中止されています。

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フェロシルト問題とは?

フェロシルトな対して、三重県は、2002年度から「産業廃棄物抑制に係る産官共同研究事業」として、石原産業のフェロシルトなどの植物育成効果に関する研究を行い、「育成」どころか「抑制」作用があることを確認しておきながら、その研究成果を隠し、むしろ住民には生育促進効果などがあるとうそをつき、リサイクル製品認定に踏み切りました。2005年に、フェロシルトに環境基準を超える六価クロム、フッ素、放射性物質のウランやトリウムなどが含まれていることが判明し、問題となりました。フェロシルトの埋設が判明した各地方自治体は、石原産業に対し、フェロシルトの撤去命令を出して撤去させようとしていますが、撤去はなかなか進んでいません。フェロシルト埋設地周辺住民は、当然フェロシルトの全量撤去を要求していますが、これまでのフェロシルトの回収分さえも、石原産業の四日市工場で処理しきれず、仮置きされているといわれています。フェロシルトの最終処分場が見つかっていない以上、フェロシルトの全量撤去と最終処理がいつ完了するか、いまだにメドが立っていません。

フェロシルトを廃棄物として処理することの矛盾

フェロシルトび限らず、廃棄物として処理される場合は、平成3年に4省庁から示された対応方針に基づき、移動時や最終処分後も放射能測定や規制がされているのに、リサイクル製品と名を変えた瞬間、何の足かせもなく自由に放射能を含んだものが動き回ることに矛盾を感じます。そもそも最終処分場で管理するために国は指針をつくりました。そのときは、リサイクルなど想定にはありませんでしたが、対応方針に示された最終処分場に持ち出す放射線量を満たせば良いだろうとリサイクルを始めてしまったのが、このフェロシルトです。廃棄物処理法の改正もあり、最終処分場跡地の再利用にも縛りがかかるようになりました。しかし、リサイクル製品として埋められたフェロシルトには、何の縛りもなく、掘り返しも持ち出しも自由にできてしまうのです。最終処分場で管理するための放射線量値が、管理不可能なリサイクル製品の放射線値と一緒でよいはずがありません。

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Copyright © 2008 フェロシルト問題を考える